長野県工芸会 会長 あいさつ
会長 早川研夫
長野県工芸会は昭和55年に発足し、長野県在住
および出身者の工芸を志す人たちの意欲作品発表の場とし、毎年「長野県工芸展」を開催してきました。
当初は県下各地での開催と巡回展を実施していましたが、搬入・搬出や集客数等の事情により、最近は長野市と松本市での交互開催と北澤美術館での秀作展を行っています。
現在の長野県工芸展の特徴は、美術館の館長や館長経験者、美術評論家、大学の講師等、一流の外部審査員による公開審査をしている点にあり、誰もが納得できる審査体制を取っていることです。
作者やジャンルにとらわれず、質の高い作品に賞を与えるという考え方で、連続受賞される人も珍しくありません。
研修の場としての研究会では、誰でも審査員ひとりひとりから懇切丁寧な批評を聴くこともでき、学ぶ意欲のある人にとって有意義な時間となっています。
工芸作品を作り上げるには、施設の充実や長時間の製作など苦労が多く敬遠されがちな昨今ではありますが、今後も展覧会の開催を軸に、長野県下の工芸の発展と地方文化の向上に寄与して参りたいと思います。
長野県は自然環境に恵まれ工芸の素材が身近にあると共に、伝統的な工芸品が多く作られてきた土壌があります。工芸制作をする多くの人に伝統に支えられながらもオリジナリティーに富んだ作品を多く出品していただき、共に長野県工芸の質を高めていくことを強く望んでいます。
|